バーニッシュ(保護ニス)

アクリル画にバーニッシュを施す必要性については多くの誤解があります。

原則として、すべてのアクリル画にバーニッシュが必要です。アクリル絵具は素早く乾き、耐久性のあるしなやかな膜が形成されますが、作品にバーニッシュを施すメリットがいくつもあります。

メリット

  • 表面のつやを調整し、統一感を出す。
  • 空気中の汚染物質が塗膜に付着するのを防ぐ。
  • 輸送、展示中の表面の傷を防ぐ。
  • 発色の鮮やかさ、濃さを高める。
  • 絵具を紫外線から守る。どのバーニッシュでもある程度の保護効果がありますが、紫外線防止剤を配合したバーニッシュは長期的な褪色防止効果があります。
  • 塗膜をはがしたり、ダメージを与える心配なく、簡単に作品のメンテナンスができます。

バーニッシュ選び

バーニッシュは除去できるもの・できないもの、液体タイプ・スプレータイプ、つやの度合いから選んでください。リキテックスのバーニッシュは混ぜ合わせてお好みのつやに調整できます。柔らかな支持体にも硬い支持体にもお使いいただけます。マチエール(テクスチャー)の激しい作品の場合はスプレーまたはエアブラシでのバーニッシュの塗布をお勧めします。壁画などの場合は垂直方向に塗布してください。リキテックスのバーニッシュはすべて、屋内・屋外どちらの作品にもお使いいただけます。

除去できる?できない?

恒久タイプ(水性)

  • リキテックスの長期保存性に優れた100%アクリルポリマーの恒久タイプの水性バーニッシュは除去できません。アクリル画にのみお使いいただけます。
  • 表面を均一に整え、耐久性、耐化学物質性、耐水性、耐褪色性(耐黄変性、防曇性)に優れています。柔軟性があり、持続的、濡れた状態では半透明ですが乾くと透明になります。
  • 水性アクリルの組成は乾くとべたつかず、硬い表面に仕上がります。汚れが固着するのを防ぎ、湿度や気温、紫外線に対応し、水分を逃がします。
  • 屋外・屋内での使用
  • つやの度合いによって、ハイグロス、グロス、サテン、マットからお選びいただけます。

除去可能タイプ

  • リキテックスの長期保存性に優れた溶剤系の除去可能なバーニッシュはアクリル画や油彩画の表面を保護し、作品にダメージを与えることなく定期的に除去して表面に付着した汚れを取り除くことができます。ご使用の際は、「ソリューバー・グロスバーニッシュの除去」の手順に従ってください。
  • 表面の汚れを落としたら、ソリューバー・グロスバーニッシュを塗り直すことができます。
  • 表面を均一に整え、耐久性に優れ、黄変を防ぎます。柔軟性があり、濡れた状態では半透明ですが乾くと透明になります。気温や湿度の変化に応じて表面が伸縮するためひび割れが起きにくくなります。
  • 屋外・屋内での使用

 液体タイプ?スプレータイプ?

液体タイプ

ビンからそのまま使える、最も一般的な形態のバーニッシュです。絵筆、エアブラシ、スポンジで塗布することができ、塗り重ねることもできます。

スプレータイプ

スプレーを使った、比較的新しい製品形態のバーニッシュです。均一なミストを噴霧することによって、刷毛の毛が残る心配なく、美しく塗り重ねることができます。時間をかけずに作品を仕上げることができます。ご使用の際は必ずマスクを着用してください。

手順

恒久タイプの水性バーニッシュ

  • バーニッシュを施す前に、作品の表面が十分乾いていることを確認してください(絵具の厚みによって72時間~2週間)。作業場所は十分な換気を行い、埃や塵のない状態にしましょう。
  • お好みのつやのバーニッシュを選んでください。実際に塗布する前に必ずテストしましょう。
  • バーニッシュを施す作品をテーブルの上に水平に置きます。立てるなど垂直方向では作業しないでください。
  • 使用前に、気泡ができないように注意しながらバーニッシュをやさしくかきまぜます。バーニッシュは水で薄めずそのまま使用できます。
  • 汚れのない毛先がやわらかな幅広の平筆、刷毛、コテバケ、エアブラシ、スプレーを使って塗布してください。筆またはスプレーは表面の上から下までを覆うように、1回に長く、均一に一方向に動かしてください。
  • リキテックスのパーマネントマット/サテンバーニッシュをお使いいただく場合は、1~2回、薄く塗布してください。それ以上厚くすると、乾いた時に曇りが生じることがあります。3回以上塗布したい場合は、まずグロスバーニッシュをお好みの厚みに塗布してから、パーマネントマットまたはサテンバーニッシュを仕上げのコートとして塗布してください。
  • 1層塗布する都度、少なくとも3時間乾かしてください。
  • 1回で厚く塗布するよりも、複数回で薄く塗布しましょう。1回で厚く塗布する場合は乾くまでに時間がかかり、乾いた時の曇りや作業中の滴り、たまりの原因になり、乾いた時に筆跡が残りやすくもなります。
  • 筆を粗く動かさないようにしましょう。曇りの原因になります。作業中は、気泡ができていないか全角度から塗布層を確認してください。気泡があった場合は、すぐに均一に整えます。
  • 1つの作業箇所から次の箇所に移ったら、元の箇所は触らないようにしましょう。乾いた樹脂が濡れることによって部分的に垂れが生じる恐れがあり、暗い色が乾いた時に曇る可能性があります。塗り残しがあった場合は、完全に乾かしてから塗り直します。

除去可能タイプ

  • アクリル画であれば、絵具を完全に乾かしてから(絵具の厚みによって72時間~2週間)、バーニッシュへと移ります。油彩画の場合は、油絵具層の厚みによって6~12カ月乾かしてください。
  • お好みのタイプ、つやのバーニッシュを選んでください。実際に塗布する前に必ずテストしましょう。
  • バーニッシュを施す作品をテーブルの上に水平に置きます。立てるなど、垂直方向で作業しないでください。
  • まず、恒久的な保護層として恒久タイプの水性バーニッシュを1~2回全体に塗布してください。
  • 筆を粗く動かさないようにしましょう。曇りの原因になります。
  • 1層塗布したら1~3時間待ち、最後の層が終わったら3日間乾かします。
  • 使用前に、気泡ができないように注意しながらソリューバー・グロスバーニッシュをやさしくかきまぜます。スプレータイプはしっかり振ってください。液体タイプのソリューバー・グロスバーニッシュは最大25%のソリューバーシンナーで薄めることができます。ミネラルスピリットを使用する場合は無臭タイプではなく、「正統派」のミネラルスピリットを使用してください。薄めたバーニッシュは気泡ができやすくなりますので、塗布する際は慎重に作業してください。
  • 毛先がやわらかな幅広の平筆、刷毛、コテバケ、スプレーを使って1~2回塗布してください。1層塗布する都度、24時間待ちます。
  • ブラシまたはスプレーは表面の上から下までを覆うように、1回に長く、均一に一方向に動かしてください。作業中は、気泡ができていないか全角度から塗布層を確認してください。気泡があった場合は、すぐに均一に整えます。
  • 1つの作業箇所から次の箇所に移ったら、元の箇所は触らないようにしましょう。乾いた樹脂が濡れることによって部分的に垂れが生じる恐れがあり、暗い色が乾いた時に曇る可能性があります。塗り残しがあった場合は、完全に乾かしてから塗り直します。
  • ソリューバー・グロスバーニッシュの層をはがしたい場合は、ソリューバーシンナーまたはミネラルスピリットを含ませた毛羽立ちのない布で汚れやバーニッシュの表面をやさしく取り除きます。完全に乾かしてから、再びバーニッシュを施します。

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