From Lab
to Tube

製品開発

リキテックスの絵具はどのように生まれるのでしょうか? コンセプトを発案してから画材店に並ぶまでには、大勢の人の手とさまざまな技術が関わっています。 そのプロセスをのぞいてみましょう。

Step 1. 大きなアイデア

アーティスト、製品開発スペシャリスト、
アクリル樹脂化学研究者から成る混成チームが組成、
提供形態、色、補助ツールの新しいコンセプトについて、
意見を交換しながら共に検討します。

このプロセスはロンドン本社で行われます。

Step 2. 実験・調合

化学研究チームが社内ラボでアイデアを形にします。

アクリル樹脂技術における数十年の経験を活かし、材料メーカーの協力を得ながら、最高の原材料を調達します。

1つのプロジェクトはその難易度によって完了までに数週間から数年かかる場合もあります。

新製品、ガッシュ・アクリリック プラスは、シリーズ全体で高濃度の顔料を配合し、優れた隠ぺい力となめらかな粘度を実現するために開発に2年以上を費やしました。

組成が完成したら、次は試験に移ります。試験者は社内の各種試験技術を自由に使うことができ、関係者のみが立ち入りを許される部屋には、耐光性から隠ぺい力、安定性、色彩強度など新しい組成のありとあらゆる側面を検証するための機材が取り揃えられています。

Step 3. パッケージ開発

ラボで新しい組成の開発が進められている間に、同時並行で社内のパッケージ技術チームも招集されます。

パッケージを改良し、アトリエでの使いやすさを追求するのがこのチームの任務です。社内アーティストと密接に協力し、最適な提供形態を選びます。

新しいソフトタイプとアクリリック ガッシュはパッケージデザインのために、数多くのアーティストに理想のパッケージを描いてもらい、それを出発点にさまざまな形状や素材を試しました。

そのうえで技術者が試作品を作り、理想と合致しているかアーティストと共同で試験を行います。ここでは機能性を最重要視し、改良の手が止まることはありません。

1980年、リキテックスは他に先駆けて100%金属製チューブを、現在、化粧品によく用いられている軽量ラミネートチューブに切り替え、使用に伴って起きる腐食や裂け目の問題を解消しました。

リキテックスのパッケージは、時間の試練と、アトリエの現実に耐えられなければならないのです。

Step 4. 量産試験

すべてのラボ試験をクリアした新しい組成は、当社工場で働く研究開発チームに渡され、量産段階へと移ります。

リキテックスの生産拠点は中国の天津とフランスのル・マンにあり、それぞれに専門性があります。

生産試験を開始し、量産体制に入った時にも同じ品質を提供できることを確認します。

初回バッチについて通常と同じ試験プロセスを実施し、その結果を量産時の標準「レシピ」として使用します。

Step 5. 品質管理

品質管理はプロセスのどの段階でも重要です。

組成は各段階でテストし、ラボと実際の環境で安定性試験を行うことによって機能と安全性を確認します。

いずれかの段階で試験をクリアできなければ不合格品となり、問題の調査と是正が行われます。

Step 6. 生産

原材料と最終パッケージを発注し、新しい機材やテクノロジーを導入し、量産製法を厳格にテストしたら、準備は万端。チューブ、ボトル、缶、ペン、袋に詰められ、品質管理に合格した最終製品が倉庫へ運ばれます。

世界中の画材店から注文を受け、そして、お客様のアトリエの画材箱に仲間入りします。

そして舞台はまたロンドンへと戻り、休む暇もなく次の大きなアイデアに取り掛かります。

リキテックスは世界中に複数の専門工場を設置し、すべて親会社グループであるコルアート社が所有しています。

原材料のほとんどはフランスまたは中国製、一部ドイツ、英国、イタリア製もあります。