安全性/廃棄方法

ユーザーの安全と健康は、リキテックスの最優先事項の一つです。リキテックスは、他社に先駆けて製品ラベルに安全性・健康情報を表示し、ピグメント・顔料名を化学名とともに国際色彩規格で明記しています。

独立機関での製品試験を続け、より安全な原材料の開発とともに組成を進化させています。カドミウムフリー(不使用)シリーズの発売からアトリエでの安全に関するアドバイスまで、リキテックスの安全性・健康コンプライアンスチームがユーザーのニーズを第一に考えています。

安全性試験・ラベル表示

リキテックスの全製品は、ボストンにあるACMI(米国画材・工芸材料協会)が運営する制度に基づく独立した有毒性評価を受け、画材製品の表示に関する米国連邦法に従っています。すべてのリキテックス製品にはパッケージに、認定の種類に応じてAPマークまたはCLマークを表示しています。

APマーク(安全認証マーク)

ACMIのAPマークが付いた製品は、医学専門家による毒性評価に基づき、現在の医学知識の範囲と意図した用途での使用において、人体に有毒・有害であったり、健康被害を引き起こしたりする量の物質を含まないことが認定されています。この評価制度はACMIの毒性評価諮問委員会の審査を受け、製品がASTM(米国試験材料協会)規格D4236(慢性的有害物)と米国有害芸術資材表示法(LHAMA: Labeling of Hazardous Art Materials Act)に準拠したラベル表示であることがACMIに認められています。

CLマーク(警告表示マーク)

ACMIのCLマークは、医学専門家による毒性評価において、健康へのリスクが知られており、安全で適切に使用するための情報を付すことが求められる場合に、それに応じたラベル表示が適切にされていることが認められた製品であることを意味します。CLマークは旧HL(健康ラベル(要注意))マークに代わるものです。これらの製品は、ASTM(米国試験材料協会)規格D4236(慢性的有害物)と米国有害芸術資材表示法(LHAMA: Labeling of Hazardous Art Materials Act)に準拠したラベル表示であることがACMIに認められています。

EU規制

1960年代に導入されたEU規制は、EU域内の業界内または一般に流通する全製品が対象です。この制度では、危険物質が次の区分(有毒性、有害性、腐食性、刺激性、酸化性、爆発性、引火性、環境への危険性)に分類され、分類の中でもレベルが分かれています(毒性が強い、引火性が極めて高いなど)。分類の基準の多くにはそれに応じたマークと「リスク段階」または「安全段階」(もしくはその両方)があります。アーティストが使用する材料が上記の分類に該当する場合は、それに従ったラベル表示が義務付けられています。アーティストが使用する材料の中で最も一般的な分類は「有害性」と「引火性」です。「リスク段階」や「安全段階」は、製品によって異なります。

EUと米国の健康表示制度は、各分類で用られている基準や制限値が異なるため直接的な関係性はありません。例えば、米国における引火性がEUでの引火性と自動的にみなされるわけではありません。リキテックス製品は世界展開されていますので、EUで流通している製品に米国限定ラベルが表示されている場合があります。EUで使用する場合はEUラベルに従ってください。

カリフォルニア州ラベル表示:プロポジション65

プロポジション65は「カリフォルニア州1986年安全飲料水および有害物質施行法」の通称です。この法律は、がんや生殖毒性を引き起こすことが知られ、飲料水に混入する可能性がある物質の排出を防ぐことを目的としています。ACMI(米国画材・工芸材料協会)に確認したところ、リキテックス製品に曝露した人のリスクはプロポジション65で規定された基準を下回ることがわかりましたが、当社はプロポジション65で危険有害性とみなされた成分を含む製品にはすべて、それに応じた表示を行うことを決定しました。従って、カドミウムと鉛を含むアーティストカラーには特別なラベル表示をしています。 

アトリエで安全に使用するためのアドバイス

アトリエで製品を安全に使用し、環境への影響を抑えるためにいくつかのアドバイスがあります。

作業時

  • 作業場所は十分換気してください。新鮮な空気を取り入れられるのが理想的です。溶剤やスプレーを使用する場合は特に注意しましょう。
  • スプレーを使用する場合は、これに適したマスクを着用してください。リキテックス スプレーは溶剤含有量が少なく、においも少ないですが、噴霧によって粉体や粒子が空中に舞う可能性があるため紙製のマスクの使用を推奨します。
  • アクリル絵具やメディウムを環境的に安全に使うための最善の方法は明らかです。たくさん出して作業が終わったら捨てるのはやめて、必要な分だけを取り出しましょう。
  • 筆は口に入れないこと。水を入れたカップの中ですすぎましょう。
  • アトリエ内での飲食または喫煙の前は手を洗いましょう。手に何がついているかわからないため、気付かずに飲み込んでしまうことになります。
  • 溶剤を皮膚に付着させないこと。
  • 絵具が手指につくと、顔料が皮膚に浸透する可能性がありますので注意してください。

片付け

  • アクリル絵具を使用する際は、アクリル専用のゴミ箱(または使わなくなった絵具缶)をアトリエ内に用意しておくのが賢明です。まとめて、安全に、責任を持って廃棄できます。
  • その日の作業が終わったら、乾燥してしまう前に残った絵具やメディウムを容器に戻し、用具やパレットをペーパータオルかウエスで拭き取ります(硬い絵具には使わなくなった歯ブラシが便利です)。汚れたペーパータオルやウエスはアクリル専用のゴミ箱に捨てます。

  • 使い残しの絵具や(洗い場や筆洗器の底にたまった)絵具かすは排水口に流してしまわず、アクリル専用ゴミ箱に捨ててください。
  • 用具とパレット、手指を、石けんとぬるま湯で十分に洗います。筆を手のひらにこすりつけて洗わないでください。皮膚に顔料が浸透するおそれがあります。

廃棄

  • アクリル専用のゴミ箱が一杯になったら廃棄します。
  • 半乾きのアクリル絵具が最小量残った状態の空容器は、「非有害廃棄物」に分類できるほどには化学的に不活性であり、通常は、一般家庭ゴミと一緒に廃棄できます。不安な場合は自治体の清掃局に確認してください。

保管

  • 乾燥を防ぐために蓋をしっかり閉めてください。
  • ねじ蓋の溝をきれいに保っておくと、きちんと密閉できます。ポリエチレンラップやアルミホイルで巻いておく方もいます。直接の熱や直射日光が当たらない、通常温度の場所に保管してください。10°F(-12°C)未満の場所は避けてください。結晶化し、元に戻りません。
  • 筆類は横に寝かせるか、毛先を上にして保管してください。
  • リキテックス製品の保存可能期間は、室温で蓋をしっかり閉め、水道水や汚れた用具が混入しない状態で保管した場合に約3年です。

スプレー絵具・スプレーバーニッシュ

  • リキテックスのスプレーは溶剤の含有量は少ないですが、噴射剤が含まれています。スプレーバーニッシュも同様です。従って、換気の良い場所に保管してください。においは少なく、有害性はありませんが、絵具の粒子や粉体を吸い込まないよう、紙製のマスクを着用してください。一般的な溶剤系スプレーには、顔に密着し、鼻と口を覆える適切な防毒マスクが必要です。
  • 製品ラベルに表示された保管方法、安全情報を読んでください。裸火に噴霧しないでください。また使い終わった後も燃やしたりしないでください。
  • 廃棄については自治体のスプレー缶の廃棄方法に従ってください。
  • スプレー缶は蓋を閉め、直接の熱や直射日光が当たらない、温度が122°F(50°C)以上または59°F(15°C)以下にならない場所に保管してください。この温度付近で保管された製品は、室温に戻るまで使用しないでください。すべての噴霧器には成分と噴射剤が含まれています。温度が下がると溶液を外に出そうとする力が働き、ノズルが詰まったり、もっと悪ければノズルから大小の小さな塊が飛び出ることもあります。