カラーチャート
用語説明

ファインアートの世界には、一つの言語を構成できそうなくらい数多くの専門用語があります。すべてを理解する必要はありませんが、知っておくと便利です。ここでは、主な専門用語をいくつかご紹介します。

グループ(シリーズ )

アーティスト用絵具のコストに占める一番大きな要素は顔料です。
顔料はさまざまなソースから生まれ、その希少性や加工・粉砕コストによってさまざまな価格がつけられています。
リキテックスでは製造コストに応じて、グループ1(シリーズ1)、グループ2(シリーズ2)など、グループ(シリーズ)別価格体系に分類しています。グループ1のカラー(イエローオキサイドなど)は含まれる顔料が安価であるため、お手頃価格でお求めいただけます。グループ4〜6には高価な顔料が使用されています。セルリアン ブルーは製造コストがかかる絵具であるため、グループの数字が大きくなり、価格も高くなります。グループ(シリーズ)と品質に関連性はなく、単純に製造コストの違いのみです。
ベーシックスは統一価格体系ですので、比較的手軽にお求めいただけます。

単一顔料色

一部のカラーは顔料を1種類のみ使用し、それ以外は2~4種類が混合されています。
単一顔料色(純色)は、クリアで純度の高い美しい発色が特徴です。単一顔料色を2つ混ぜ合わせると、顔料が複数ではなく2種類のみですので最高にクリアな混合色になります。例えば、単一顔料のカドミウム レッド ライトとセルリアン ブルーを混ぜ合わせる場合は、純粋にこの2色が混ざり合います。着彩をくすませるものは何もありません。
一方、混合顔料色を使用する場合の混色は多くても6色までにしましょう。それぞれの色に3種類前後の顔料が含まれています。混ぜ合わせる顔料の種類が増えるほど、発色が茶色がかってくすみやすくなります。
代表的な単一顔料はカドミウム、コバルト、キナクリドン、フタロシアニンが一般的です。
パッケージに表示された顔料の種類を確認してください。

混合顔料色

だからこそ、あらかじめ混合された調合色のメリットがあります。混合顔料色は手作りで混色するよりも鮮やかな発色です。混ぜるたびに色味が違うということもありません。
リキテックスのミューテッドコレクションは、お手製では難しい混合顔料色の好例です。

隠ぺい力/透明度

それぞれの顔料に個性があり、アーティストにとっての重要な特徴の一つが透明度です。色選びに役立つよう、パッケージに透明度が明記されています。
グレージングには透明色を、暗い背景を覆うには不透明色を選んでください。透明度によって3種類に分けられています。

  • 不透明色ー光が着彩層を通過せず、しっかりカバーする隠ぺい力があります。
  • 半透明色ー光が着彩層をある程度通過します。不透明色と透明色の中間です。
  • 透明色ー隠ぺい力が最も小さく、光が着彩層を通過し、その下の支持体まで届きます。グレージングや淡彩効果に適しています。

耐光性

褪色にどのくらい強いかを示します。顔料はすべてASTM(米国試験材料協会)規格に基づく評価を実施しています。リキテックス製品はすべてASTM I(完全不変色)またはII(不変色)の評価を獲得し、ギャラリー環境では50~100年またはそれ以上の耐褪色性、耐光性が期待できます。蛍光色およびメタル系顔料は性質上、低耐光性です。

ヒューカラー

名前に「ヒュー」がついているカラーは、いくつかの理由によって別の色を再現したものです。
例えば、カドミウムヒューは見た目はカドミウム色のようですが、実際にはカドミウムを含有しておらず、別の顔料を配合しています。
ヒューは通常、数字の小さなグループ(シリーズ)に含まれていますので、予算に限りがある場合に便利です。また、現在、安全性が懸念されていたり、高価であったり、褪色しやすい色が再現されています。

APマーク・CLマーク

リキテックスのカラーは独立機関であるデューク大学ACMI(米国画材・工芸材料協会)による安全性試験を受け、APマーク(安全認証マーク)またはCLマーク(警告表示マーク)を取得しています。
マークはパッケージに表示しています。ほとんどのカラーにはAPマークが表示され、医学専門家による毒性評価に基づき、人体に有毒・有害であったり、急性または慢性的な健康被害を引き起こしたりする量の物質を含まないことが認定されています。
リキテックス スプレーに表示されているCLマークは、医学専門家による毒性評価において、健康へのリスクが知られており、安全で適切に使用するための情報を付すことが求められる場合に、それに応じたラベル表示が適切にされていることが認められた製品であることを意味します。

ACMI(米国画材・工芸材料協会)

1940年に設立されたACMI(米国画材・工芸材料協会)は、美術、工芸、芸術資材メーカー約200社で構成された国際組織です。
ノースカロライナ州、デューク大学産業環境医学科を活動拠点に、認証制度に基づき、美術・芸術用品の安全性を推進しています。ACMIの毒性評価チームは30年以上にわたり、当社を含む会員企業の6万を超える美術材料の評価を行ってきました。会員企業は連邦法および州法に従い、ACMIの毒性評価チームに新製品の試験と製品分類を依頼することができます。ACMI内に組織された、業界を代表する専門家で構成された毒性評価諮問委員会は、毒性に関する一般的問題やACMIの毒性学者が使用する基準を検討し、ACMIに提言を行います。

プロポジション65

プロポジション65は「カリフォルニア州1986年安全飲料水および有害物質施行法」の通称です。
この法律は、がんや生殖毒性を引き起こすことが知られ、飲料水に混入する可能性がある物質の排出を防ぐことを目的としています。ACMI(米国画材・工芸材料協会)に確認したところ、リキテックス製品のリスクはプロポジション65で規定された基準を下回ることがわかりましたが、当社はプロポジション65で危険有害性とみなされた成分を含む製品にはすべて、それに応じた表示を行うことを決定しました。従って、カドミウムと鉛を含むアーティストカラーには特別なラベル表示をしています。

褪色

褪色しやすいカラーとは、日光、湿気、温度、汚染物質などの特定環境条件にさらされた場合に褪色しやすい顔料を指します。

アクリルスキン

アクリルシートとも呼ばれ、なめらかな表面上に垂らし込み、はがして、乾燥させたアクリル樹脂を指します。簡単にでき、立体的加工や立体感の演出、ミクストメディアのほか、浮かばせる、接着する、包む、重ねるなどお好きな方法で活用できます。

マストーン​

チューブから出したままの色。鮮やかで濃厚な発色です。

アンダートーン

薄く塗布したり、水で薄めた色。一般に透明感があります。

ティント

純色に白を加えてできる色。

シェード

純色に黒を加えてできる色。

TIPS & TECHNIQUES

使い方やテクニックなどのガイダンス