アクリル絵具とは

リキテックス製品の幅広さは世界トップクラス。 アーティストのための世界初の水性アクリル絵具を世に送り出したのは、遡ること1955年。その自由度、使いやすさ、確かなパフォーマンスは瞬く間に世界中に伝わり、今やアクリル絵具は世界で最も愛用される描画材です。

アクリル絵具とは

水性アクリル絵具には顔料粒子が含まれ、これがアクリルポリマーエマルジョンに分散しています。アクリル絵具の主な原材料は3つ、顔料、バインダー、ビヒクルです。

  1. 顔料 - 絵具に色を与える固形粒子物質。微粒子に粉砕され、溶解はしませんが、絵具内に浮遊しています。顔料には有機顔料、無機顔料、天然顔料、合成顔料があります。塗布面との親和性はほとんどまたはまったくありません。
  2. バインダー - 絵具が乾いた後、顔料をそのまま固着させるための物質。アクリル絵具にはバインダーとしてアクリルポリマーが配合され、このアクリルポリマーが水分が蒸発した後に膜を形成します。
  3. ビヒクル - 顔料とバインダーを分散させるための媒体。水性アクリル絵具の場合は水がビヒクルです。バインダーと結合するとポリマーエマルジョンになります。蒸発または吸収によって水分が失われ、絵具が乾くと、顔料粒子を十分に閉じ込めた安定性のあるクリアなポリマーフィルムが形成されます。

サイエンス

アクリル絵具は水分の蒸発によって乾燥します。顔料、水、アクリル樹脂が、耐久性のある塗膜に変わるまでのプロセスをご説明しましょう。

第1段階

チューブから絞り出した、または容器からすくい取ったアクリル絵具は、アクリルポリマーと水から成るエマルジョンに顔料が均一に分散した状態です。水はエマルジョン液を保つ働きをし、化学で言う「シャペロン」の一種として機能して、アクリルポリマー粒子が近づき、結合するのを防ぎ、使用前に固まってしまうことを防ぎます。

第2段階

エマルジョンに含まれる水分は大気にさらされて蒸発したり、または支持体に吸収されます。それによって、アクリルポリマー粒子が互いに直接接触し、結合します。

第3段階

透明なポリマー粒子が構造的に安定した六角構造に変化し、その中に顔料が取り込まれます。そして、その結果、安定性、耐水性、耐久性に優れた、鮮やかな塗膜が形成されます。

アクリル絵具の魅力

どこから話を始めるべきか迷いますが、次のような特性があります。

  • 乾きが速い(薄く塗布すると10~12分、厚みによってはもう少し時間がかかります)
  • しなやかで曲げられる
  • 乾く前は、水で洗い流せる
  • 乾けば恒久的(水に溶けない)
  • 硬さや製品形態を選べる
  • ほぼすべての支持体に定着する
  • さまざまな創作スタイルや技法に対応。実験的な技法でも、伝統的な技法でも
  • 低臭性で、有害な揮発が発生せず、不燃性
  • メディウムを加えることによって特性の調整が可能

推奨事項・禁止事項

水で薄める

アクリル絵具を水で薄める時は25%までにしましょう。
なぜなら、水を加えすぎると組成のバランスが崩れ、アクリルポリマーの分散が薄まります。そうなると分子の正しい再結合が妨げられ、安定した塗膜を形成できません。
代わりにアクリルメディウムで薄めてください。アクリルメディウムは顔料は含まれていませんが組成が絵具と基本的に同じです。アクリルメディウムで薄めることで、アクリル/水エマルジョンが増え、組成と塗膜の安定性を保つことができます。

透明度

水分を含んだ状態のアクリル/水エマルジョンはやや乳白色ですが、絵具が乾くと透明に変わります。この乳白色によって、色の明度が若干明るく見えます。エマルジョンから水が失われて、バインダーが透明になるにつれ、明度は暗くなります。この明度の変化は一般に濡れ色と乾いた後の色の差として知られ、アリザリンなどの暗い透明色などでよりはっきりとわかり、カドミウム イエローなどの明るい不透明色ではあまり目立ちません。
リキテックスの化学研究チームはアクリル技術の先頭に立ち、リキテックス製品に最先端のアクリル樹脂を採用。濡れた状態でも最大限の明度を可能にしています。

柔軟性

アクリル塗膜は極度の寒さが苦手です。ですから45ºF(7°C)以下の環境でアクリル画を丸めたり、広げたり、折り曲げたりしないでください。砕けやすくなります。

TIPS & TECHNIQUES

使い方やテクニックなどのガイダンス